2011年1月26日水曜日

[E for All]E for All Expoは約1万8000人の参加者を





E3と同じ会場となったLos Angeles Convention Center。到着するまでの雰囲気は去年までのE3とそっくりだったが,イベントが始まると,やはりまったく異なる雰囲気だった

 10月17日から4日間にわたって,カリフォルニア州ロサンジェルスで開催されていたゲームイベントE for All Expoは,アメリカ時間の21日に無事閉幕した。規模としては,当初我々が考えていたよりも小さなものだったが,主催者である大手メディア/イベント運営会社IDG World Expoの発表によれば,4日間で約1万8000人の入場者を記録したという。ただし,これは出展者やマスコミなども含めた数ということで,現実的な来場者数は1日あたり3000?4000人程度だったのではないだろうか。











会場のオープン時間はなぜか11:00AMと遅い。平日はやはり講義をさぼってやってきた大学生(?)風,あるいはそれ以上の年齢の人が多かった









会場で目立っていたのは,NINTENDO,Electronic Arts,KONAMI,THQ,NAMCO,そして有名プロゲーマーの名をブランド化した周辺機器FATAL1TYの展示くらいだろうか

 これまで10年にわたってE3 (Electronic Entertainment Expo)が開催されてきたLos Angeles Convention Centerだけに,E for All Expoには非常に馴染みのある印象を受ける。だが,「人ごみの中をかいくぐりながら次のアポイントに向かって突き進み,アチコチから聞こえる音楽で耳が痛む」というようなことはなく,参加企業も大手はNINTENDO,Electronic Arts,KONAMI,THQばかりが目立つ70社ほどで,やはりE3とはまったく異なるイベントだったことを再認識させられるものであった。

 ほかにも名のある数社が参加していたものの,例えば2K GamesはXbox 360用の「Sid Meier's Civilization Revolution」,Activitionは「Guitar Hero III: Legends of Rock」など,クリスマス商戦向けの単作出展に留まっていたり,ナムコのようにモバイルゲームや昔のアーケードゲームのショーケースを構築したりと,本格的なゲームショウとはやや異なる趣向になっていた。



















会場で人気のあったのが「Guitar Hero III: Legend of Rocks」の弾き語り大会。壇上に上がったゲーマーは,ノリノリで難度の高い曲をこなしていた

 E for All Expoについて感じたのは,単に小じんまりとした規模のイベントだったということだけではない。結局のところ,このイベントはプレスに向けた新作の発表をメインにしているのではなく,今後発売するゲームを実際にファンに遊んでもらい,そのゲームの購買意欲を高めてもらおうというものだったことだ。

 より多くの人に直接アピールすることで,ゲームを社会に浸透させていくという試みは,日本の東京ゲームショウ(TGS)やドイツのGame Conventionでも成功が実証されていることであり,それを世界的に見て最も市場が大きいアメリカで行なうことの意義は,それなりに深いはずだ。











E for Allの会場奥では,MLGという組織の特別ゲーム大会も開催されており,多くのプロ/アマチュアゲーマーが熱心なプレイをしていた

 KONAMIは日本から開発者を呼び寄せてサイン会を開くということをやっていたし,NAMCOは,普段なら自社サイトでのオンライン販売をメインにしているであろうTシャツなどのグッズの即売会を開いており,このあたりに今後のE for All Expoの可能性を見出すこともできるだろう。MLG(Major League Gaming)というゲームトーナメント運営組織との共催で,「Halo 3」や「NBA 2008」などのタイトルで競技大会を開いていたのも,そういう世界を知らないファンには新鮮に映ったはずだ。









新作発表の少なかったE for All Expoだが,Avatar Realityの開発する「Blue Mars」は,そのグラフィックスの美しさやソフトのユニークさで抜きん出いていた

 アメリカは面積が広いぶん,このようなイベントに多くの人を呼び込むのが難しい。とくにロサンジェルスは車でもダウンタウンに乗り入れるのには時間がかかってしまうし,学校が休みでもない10月という開催時期も,それほど良いものではないだろう。

 平日の一日券が50ドル,週末の一日券は75ドル,そして4日間の入場券は90ドルという値付けは,ゲーム好きの学生にとっては高すぎるものではあるが,治安対策も含めて入場者を選ぶという意味では,仕方のない処置だったのかも知れない。

 しかし理想を言えば,やはりより多くのゲーム企業に参加してもらい,より多くの消費者にゲームで遊んでもらうに越したことはない。E for All Expoは来年も開催予定ということだが,より規模が大きく,洗練されたものになってくれればと思う。










引用元:ロハン(新生R.O.H.A.N) 専門サイト